フィールドサービス、道北地区担当時代・・20歳代後半、昭和45年頃

2月北海道オホーツク沿岸を計算機の点検で巡回していたときの事です。1件のユーザー先から外に出ると、もう外は真っ暗。旅館を探そうと思い国道を行ったりきたり、なかなか見つかりません。ドライブインが1軒あるだけで、人影もなく、心細さと不安がこみ上げてきます。さっきのドライブインの看板には、「宿泊も可能です」と書いてあったを思い出し、いやいやながら遂に戸をたたきました。女主人がいて、寝室に案内されてびっくり。広い部屋に汚いベッドがあるだけ。なんでも昔、お子さんが使っていたとか。次にお風呂を案内されましたが、またびっくり。湯船のお湯が茶色に濁って、まるで”ミルクコーヒー”のようだったからです。足だけ洗って湯船には入らずベッドに入りました。自分は今夜眠れるのか・・「あっそうだ!」と飛び起きて女主人に明日の”朝食”をキャンセルしました。このままでは何を食べさせられるのか恐ろしかったからです。その晩はやはりぐっすりとは眠れず。朝6時にドライブインを飛び出しました。お腹がすいてたまりません。今のようにコンビニなんかありません。ふと、家々の間から海岸が見えました。流氷が見えるではありませんか。すぐに車から降りて波打ち際まで行きました。生まれて初めて見る”流氷”です。波の音は一切しません。静まり返っているのです。足元から水平線のかなたまで、全部ギザギザした氷が折り重なっているのです。その圧巻に私はただ呆然とするだけでした。「言葉を失う」とはこういう事なんだと思いました。昨夜の事はすっかりリセットされていました、感動に後ろ髪を引かれるおもいで帰途へつきました。

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