やはり、30年以上前のお話
3月のある日、北海道は珍しい冬の嵐になった。猛烈な吹雪のため
多くのトラック・大型トレーラーは道路の脇に転落し、あまり見たこと
の無い、お腹を空に向けていました。
その光景を目にしたのは、札幌を出て旭川に一泊し、稚内に向けて
出発した早朝だったと記憶している。昨夜から夜中にかけて転落
事故に遭ったトラック・大型トレーラー達だろう。名寄市を過ぎた頃から
目的地まで、6、7台の横転したトラックを見たが、あまりの多さに恐怖心
が襲ってきた事は言うまでもありません。
私は、何台かの仰向けになったトラックの様子を見に道路わきに止めて
みたが不思議な事に、車両が大破している様子は見られないのです。
雪がショックを緩和してくれたのでしょうか?
私は、1台だけ本当にどうなっているかを見たくて車を止めて国道した
の仰向けになった大型トレーラーを見下ろしました。
するとある事に気づきました。とても信じられない事ですが、道路下に
落ちたトレーラーは全て100%進行方向にに向かって反対側の道路下
に落ちていたという事です。しかも運転席は進行方向に向いています。
私は、現場を離れて車中で「なぜ?」と考えながら目的地に向かって
走り続けました。
後にわかった事ですが、ドライバーの心理として、視界ゼロmになると、
左側走行でも、左の道路下に落ちないようにどちらかというと道路の
真ん中近くを走り出して、そのうちにゆるい左カーブに気が付いても
急ハンドルで戻す事は困難なため、右に極端に寄りすぎて、しかも、
エンジンブレーキをかけながらもゆっくりと右道路下に落ちて行くのだ
そうです。